死印 プレイ日記 総評・まとめ
死印完全クリアです!
プレイ時間はクリアまで9時間程度、完全クリアまで16時間ぐらいでしょうか。
私はかなりおっかなびっくりやっていたので、度胸がある人はもうちょっと早いかもしれませんが……笑。
巧妙な謎
死印で最も面白い要素だと思ったのは難易度の高さです。
私は章クリア毎にゲームオーバー回数を記録してきましたが、第6章雨の赤ずきんまでをクリアした時の回数は……
29回。
わざとゲームオーバーになったわけでもないのに、ADVゲームでこの回数は異例の多さです。
ノベルゲームやアドベンチャー(ADV)ゲームでは難易度を作るのがかなり難しいです。
ヒントを出しすぎれば簡単になってしまいますし、出さなければ難しいというより理不尽、不可解とプレイヤーは受け取ってしまうかもしれません。それがミステリではなくオカルトゲームなら尚更です。
それでも死印が理不尽という表現ではなく、
『難易度が高い』
とハッキリ言えます。
その論拠は
シナリオと文章の巧みさ
にあります。
怪異と対峙したり、選択肢を選ぶ際には必ずヒントがシナリオ中に登場します。それは文章だったりキャラの台詞だったりと様々ですが、
必ずヒントはあるのです。
例えばこの上記のシーンなのですが、こういうおどろおどろしいところでもヒントが出てきます。
そしてそのヒントは決して強調表示されません。
マジックをする際にはあるテクニックが必要とされます。それは観客の視線を誘導すること。視線をマジックのタネとは関係ないところに誘導して、肝心な答えを隠してしまうのです。
このゲームの文章においても同じようなことが言えます。
恐ろしいシーンにプレイヤーの意識を集中させて、その文章の中にヒントを隠してしまう。そうすることによってプレイヤーは確かにヒントを見たはずなのに、それを意識しなくなる。気づかずに進めてしまうのです。
ただしそのヒントは必ずどのタイミングでも見返せるようになってます。
主人公が事あるごとにメモを取っているので、それをじっくり見ればヒントにちゃんと気づける仕様になっているのです。
これはプレイしてみないと感覚的に分かりにくいですが、プレイしてみるとハッキリ理解できます。
つまり
・ヒントはちゃんと表示する
・しかし別の強調される要素によって巧みに隠す
・ヒントはいつでも見れるようにしておく
これが理不尽ではなく、難易度が高いと思わせるテクニックだと思いました。
言うのは簡単ですが、そのように演出を作り、文章を書くのは一朝一夕では難しいでしょう。
現代に蘇った怪異
死印に出てくるオリジナルの怪異は素晴らしい!
恐怖、生理的嫌悪感はもちろんですが、モチーフに一切の無駄がありません。
一章の花彦くんなら薔薇の怪異、二章のシミ男なら蜂の怪異と、シナリオ内では明言されませんが、何故そのような怪異になってるのかはすぐ分かります。
シミ男はマイナー宗教の教主なのですが、信者との結びつきが強く、他人でありながら家族のようだった模様。だからこそシミ男は社会性の強い蜂の怪異の姿をしています。
くちゃら花嫁、ずう先生、観音兵なども同様です。ただただ怖いのではなく、その姿には彼らの背景がちゃんと反映されたものになっています。初見では怖すぎて考える暇もないですが、終わった後でゆっくり考えると、かなり練られた外見だと気付かされました。
怪異は人間との生活に密着しています。
現代社会に蔓延る理不尽が怪異を産み出す……、これは死印というゲームだけではなく、遍く噂される現代の都市伝説など全てのオカルト話に言えることです。
死印の舞台は2000年よりちょっと前っぽいので少し古いですが、それでも現代に通ずるテーマがあります。
思わず目を背けてしまう現代社会のテーマ。それを怪異を通して見ることで、より恐怖を演出させているのでしょう。
とまあ色々語ることはまだまだあります。バッドエンドへ誘導の仕方のいやらしさとか、どんなキャラでも何のためらいもなく殺す躊躇の無さとか。
でもこれ以上ダラダラ書くわけにもいかない(私の語彙力がもうない)ので、これにて終了です。
なんか小難しいことを書きましたが、要するに
死印は怖い。
これに尽きます。
これから暑い暑い夏の季節に入りますし、背筋がゾッとするような死印はいかがでしょうか!
私のような悲鳴をあげて楽しんでいってください!!!! むしろみんな、あの恐怖を味あえばいいんだああああ!!!!
ここまで読んでいただきありがとうございました!
それでは次のゲームでまたお会いしましょう!
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